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働くランナーの聖地!? 村の新たな魅力を発見水上村視察ツアーによる企業誘致施策【Vol.10】

「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語「ワーケーション」。観光地など旅先でリモートワークを活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所でミーティングや研修をしつつ、プライベートタイムは観光を楽しむことができる新しいワークスタイルが注目されています。
熊本県南部、宮崎県との県境に位置する球磨郡水上村は、その名の通り球磨川の最上流、水源のある村です。標高1721mの市房山の懐に抱かれ、四季折々の景色が見る目を楽しませてくれます。また、とろりとした軟らかな美人の湯として知られる「湯山温泉」を楽しめる宿泊施設なども点在し、日常の忙しさを忘れさせてくれる癒やしの里です。
しかし村の人口は現在、約2100人。特に地域つくり担い手不足は村の将来を揺るがしかねません。
水上村は人口減少に歯止めをかけるため、2022年4月に「地方創生推進課」を新設。
ワーケーションに着目し、新たな人の流れをつくり出す「関係人口」の創出・拡大を目指しています。
今回は水上村で「お試しサテライトオフィス(水上村視察ツアー)」を2023年2月に体験した「株式会社リコー」の高内正恵さん、寺山加保里さん、田中薫さんを取材しました。

水上村チャッカソンで誕生したサテライトオフィスとは?

20年10月、水上村で企業誘致を成功させるための会議「チャッカソン」(アイデアとマラソンからなる造語「アイディアソン」と「着火」を組み合わせてできた言葉)が行われました。

2日間にわたる「チャッカソン」では、水上村職員をはじめ、教育委員会、地元企業、地域おこし協力隊、IT企業など、水上村を盛り上げたい有志が集合。

当日は

  • お試しサテライトオフィス

  • 水上村でととのう”Totonou”|天空のサウナ

  • 空き地・空き家の有効活用

  • 5Gインフラ整備の実現

  • 2030年に目を向けた実証実験の村づくり

などを盛り込んだ「水上村の魅力を存分に生かせる企業誘致施策」が誕生しました。

この記事では、企業誘致施策の中でも、初めて本格始動した「お試しサテライトオフィス」について紹介します。

チャッカソンで誕生した他の施策が気になる方は、以下の密着取材記事をぜひご覧ください。

株式会社リコーがワーケーションを体験

今回、ワーケーションを利用したのは「株式会社リコー」の社員。
個人から企業向けに、時代に沿った新しい働き方を支援する幅広い製品・サービスを提供する同社。社内には有志社員による自主的な活動としてワーケーションを推進するコミュニティ「ワーケーション部」という部活動があり、社員が部署の垣根を越えて全国各地へ足を運んでいるそうです。

水上村を訪れたのは、高内正恵さん、寺山加保里さん、田中薫さん(田中さんは夫と参加)。

(左から)田中薫さん、高内正恵さん、寺山加保里さん

田中さんがフェイスブックで水上村のワーケーションのことを知り、市房ダム湖の風景のすばらしさに感動し応募したそうです。「リモートワークが続いている中、意識して外に出て地域の空気や人に触れることは大切。視野を広げ、生き生きと仕事をしたいと思います」と3人は声をそろえます。

水上村でのワーケーション2日目となったこの日。
1日目は、ワーケーションの仕事場、石倉交流施設のコワーキングスペースを利用。米倉庫をリノベーションしたモダンな雰囲気の中、高速Wi-Fiを完備した快適な環境で仕事に集中できたようです。

RICOH THETAの360°カメラで石倉交流施設でのワーケーション風景を撮影いただきました!

また「山との距離が近いのが新鮮。民宿の温泉の肌あたりの軟らかさに感動しました」と寺山さん。高内さんは「地元のジビエ料理や鯉汁などがおいしく、もっと多くの人に知ってもらいたい」と水上村の魅力も堪能。
ランニングが趣味の田中さん夫妻は水上村に到着早々、村内をひとっ走りしたのだとか。春には約一万本の桜が咲き誇るという市房ダム湖周辺や箱根駅伝を彷彿させる本格的な山道など、「働くランナー」向けの利用の可能性も広がります。

老舗酒蔵、建設中のサテライトオフィスなど新旧スポットを視察


水上村職員の案内で最初に向かったのは、明治5年創業の「大石酒造場」。
日本に4つしかない産地呼称が認められた本格焼酎のブランドのひとつ「球磨焼酎」を作る酒蔵です。

倉庫にズラリと並んだ焼酎樽を見学した後、酒蔵自慢の焼酎の飲み比べをしました。普段お酒を飲まない寺山さんも「まろやかな味わいで飲みやすいですね」と絶賛。

「同じ材料や工程で作っても、全く同じ味は作れない。それが焼酎造りの面白みでもあります」という5代目蔵元・大石長一郎さんの言葉に興味深くうなずく3人でした。

若者の酒離れや販路拡大の大変さなど、酒蔵が抱える課題について議論する一場面も

次に、村が所有する古民家へ向かった一行。職員から「使用用途を模索している」と聞くと、コワーキングスペースやレストラン、ランニングステーション(ランナーが着替え、シャワーを浴びられる施設)など、さまざまな発想が浮かびました。

広々とした畳もある古民家。「小さい子ども連れも利用できるカフェもいいですね」とイメージが膨らむ皆さん

また、市房ダム湖を一望できる物産館「水の上の市場」のほか、建設中のサテライトオフィスや整備中の市房山キャンプ場も見学。

80mまで噴き上がる大噴水。この日は水しぶきにきれいな虹もかかりました

そして皆さんが一番興味を示したのが、22年3月にオープンした生涯スポーツ施設「SAKURA VILLAGE」です。
水上村民の健康・体力の増進を目的として、整備された公共施設で、村外在住の人々も利用できます。

施設では長さ25mの歩行用温泉プールや最新のトレーニングマシーンをはじめ、酸素ルームも利用できるという充実ぶり。
1DAYパスは村外の人は1300円ですが、水上村に宿泊すると800円。

トレーニングマシーンが並ぶ室内

「『SKY VILLAGE』のトラックやクロスカントリーコースで走れるのはとても魅力的ですが、雨が降っても『SAKURA VILLAGE』で過ごせるのがいいですね」と田中さん。
徒歩3分の位置には温泉「元湯」もあるので、汗を流してから仕事を始めるという利用の仕方も可能です。

働くランナーに訴求したい数々のポイント

水上村でのワーケーションを体験し、村内のさまざまなスポットを巡った3人。
改めて「ランナー」に最適なポイントを見い出し、「ランナーはだいたい、大会後は仕事のためにとんぼ返りすることが多い。水上村はコワーキングスペースがあるので走った後に、そのまま仕事ができるのでいいですね」「温泉やジムといった施設も整備されているので働くランナーへのアピールもできそう」など、アイデアが飛び交います。

令和2年熊本豪雨の爪痕が残る市房山も見学。「整備されたら夫婦で登りに行きたい」と田中さん

ワーケーション部として活動する高内さんは、社内外向けの展示会で水上村のパンフレットやチラシを提示することを提案。
「人も温かく、食べ物もおいしい。水上村の魅力を広く発信する手助けになれば」と水上村の新たな可能性にエールを送りました。

地方でのリモートワークを体験したいあなたを水上村がお待ちしています

都会の喧騒から離れて、大自然の中でリモートワークや社員ミーティングを行いたいと考えている方は、役場全面協力の「みずかみのワーケーション(お試しサテライトオフィス)」を体験してみませんか。

詳しい応募方法やツアー概要は「みずかみのワーケーション公式サイト」へ。
水上村の自然や人々があなたを温かく迎え入れ、身も心もじっくりほぐしてくれます。

役場職員や地域住民が、皆さんのお越しを心からお待ちしています。

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