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日常の仕事を進めながら水上村の自然に浸る|水上村視察ツアーによる企業誘致施策【Vol.11】

都会の喧騒から離れた自然豊かな場所で、いつものように仕事をして、空いた時間にゆっくり食事をしたり、仲間と語らったり。
熊本は南部に位置する人吉球磨の水上村では、日頃とは異なる地域での滞在を楽しみながら働くワーケーション(=WorkとVacationからなる造語)「お試しサテライトオフィス」の受け入れを行っています。

水上村は、その名の通り球磨川の最上流、水源のある村です。
標高1721mの市房山が村のシンボル。
春には市房ダム湖沿岸の一万本桜やしゃくなげ、秋には彼岸花、紅葉と、四季折々の景色が見る目を楽しませてくれます。
とろりとした軟らかな美人の湯が自慢の「湯山温泉」を楽しめる施設や民宿も点在し、日常の忙しさを忘れさせてくれる、癒やしの里です。


桜の時季は多くの観光客でにぎわう市房ダム

「お試しサテライトオフィス」は、人口約2000人という水上村の人口減少に歯止めをかけるべく生まれたプロジェクト。地域外の人材が村に変化を生み出す「関係人口」の創出・拡大を目的としています。
本プロジェクトでは、自治体や地域住民と触れ合う機会や、村の名所案内などを行う水上村の視察ツアーを準備。
また、おいしい食事やリラックスして休める宿泊施設なども手配され「水上村で暮らし、働き、遊ぶ」を具体的にイメージすることができます。

水上村で「お試しサテライトオフィス」が誕生するまでのストーリーや始動してからの歩みは、以下の記事でご紹介しています。

今回は、水上村で「お試しサテライトオフィス」を23年2月21日~24日に体験したプロジェクトチーム「JAPAN MADE」の畠山純さんと河野涼さん、塚本直純さんを取材しました。

JAPAN MADEがワーケーションを体験

「JAPAN MADE」は「共息」をコンセプトに、東京都を拠点に全国各地の日本のモノづくりを持続可能にするために活動するプロジェクト。日本のモノづくりの魅力を発信するコンテンツ事業をはじめ、職人や工房の技術力と異業種をコラボレーションさせ、新しい価値を生み出す事業などを展開しています。

ネット上で水上村の「お試しサテライトオフィス」を知った畠山さん。「せっかくワーケーションに行くなら、水上村のように都会とは異なる自然があるところがいいなと思い、申し込みました。ネット環境が完備された仕事場があるという点も決め手の一つ。熊本近辺にゆかりのあるメンバーに声を掛けてやって来ました」

熊本県出身という塚本さんは「恥ずかしながら水上村のことは知りませんでしたが、とても居心地のいい場所でした。特に印象的だったのが、空が広いこと。普段仕事をしている都会では感じられない開放感がありました」とにっこり。

水上村に到着した日は、青空が美しい好天。空をぼんやり眺めたくなるほど、心地の良い天気でした。好天に恵まれた初日。空が広く開放感たっぷり

好天に恵まれた初日。空が広く開放感たっぷり

ITインフラ環境が整ったワーケーションスペース


滞在中に仕事場として利用できる石倉交流施設

一行はまず「お試しサテライトオフィス」の拠点となるコワーキングスペース石倉交流施設へ。
米倉庫をリノベーションしたモダンな造りに「すごい!」と声をそろえる皆さん。

石倉交流施設は天井が高く、机と椅子を並べても100人ほどを収容できる広々としたスペースで伸び伸びと仕事をすることができます。
高速Wi-Fiやプロジェクター、スクリーン、ディスプレイ、ホワイトボード、音響、ウェブ会議用の個室なども完備。
「モニターやスクリーンもあるので、ワールドカップを集まって見たり、ミニシアターを開いたりできそうですね」と河野さん。

畠山さんも「めちゃくちゃWi-Fi速くて、仕事がはかどりそうです」と、仕事場としての石倉交流施設に満足そうでした。

水上村の観光地やサテライトオフィスを巡るツアーへご案内

豪雨や台風などの災害の爪痕が残る市房山の登山口

続いて向かったのは、水上村の観光地やニュースポットを巡るツアー。
まずは水上村のシンボル的存在の市房山の登山口周辺へ。
市房山は熊本でも2番目に高い標高1721mの山。
幹周り3m以上もの巨大な杉が約40株も登山道に立ち並び、中でも幹回り6m以上のものは「市房杉」と呼ばれています。
村の職員から「市房杉は、大人が7~8人くらい手をつなげるくらい大きな幹回りです。森林セラピーとして、利用する方も多いんですよ」と説明を受け、皆さんは「ぜひ登ってみたいですね」と話していました。

山の麓に建設リニューアル中のキャンプ場を見学し、「球磨焼酎」の酒蔵を目指しました。

大石酒造場


大石酒造の看板商品の一つ「鬼倒」。超音波「PASS」を導入した悪酔い、二日酔いの少ないのが特長といわれています
大石酒造場での飲み比べ

球磨焼酎とは、世界貿易機関(WTO)により産地呼称が認められた本格焼酎ブランドの一つ。人吉球磨の米を主原料とし、地元の地下水を仕込み水に用いて作られています。
水上村には球磨焼酎を醸造する蔵が2つあり、どちらも見学に訪れました。
明治5年創業の「大石酒造場」と、現存する球磨焼酎の27蔵の中で最も古いとされる「松下醸造場」です。

松下醸造場へ。江戸時代に作られたというかめ壺がずらりと並びます
松下醸造場は、江戸時代から初代次兵衛が焼酎を造り始めて球磨焼酎最古の蔵元といわれています
2つの蔵元いずれもウイスキー樽で焼酎が時を重ねていました
動画を用いながら焼酎ができるまでを紹介してくれた松下醸造場の松下直揮さん

足を踏み入れただけで、甘く芳醇な香りに包まれ、ほろ酔い気分になれる樽の貯蔵庫や、醸造所などを見学し、試飲も楽しみました。
「舌触りが優しいですね」「リンゴみたいな味わい」など、うっとりしながら飲み比べを楽しむ3人。
仕事で酒蔵へ訪れる機会が多いという畠山さんをはじめ、皆さん醸造所の人々との会話もはずんでいました。

そのほか春には桜の名所となる市房ダムを一望できる物産館「水の上の市場」や今後整備予定の古民家やコワーキングスペースなども回りました。

一行の関心が高かったのが、2022年にオープンしたトレーニングジム「SAKURA VILLAGE」。

コロナ禍に新設されたスポーツ施設

水上村民の健康寿命を伸ばすことを目的として建てられた公共施設で、村外在住の人々も300円~とリーズナブルな価格で利用できます。

施設では長さ25mの歩行用温泉プールや最新のトレーニングマシーンをはじめ、高酸素・低酸素ルームも利用可能。
宿泊者は、村民料金で利用できるのも魅力的です。

最新の運動器具がそろっています

「設備が整っていて、ある意味、都内のジムよりすごいのでは」と畠山さん。 河野さんも「仕事柄、田舎ののどかなところは訪れ慣れていますが、豊かな自然だけでなく、コワーキングスペースやジムなどの設備も整っていて、村がそういった新しいことにも積極的に取り組んでいる様子が印象的でした」と話してくれました。

地域おこし協力隊の皆さんがトレーニング方法などもていねいに教えてくれます

アウトドアを満喫した水上村でのBBQ

自治体や地域住民と地元のおいしい食事、お酒を囲んでの懇親会も用意されているのも「お試しサテライトオフィス」の魅力の一つ。
今回は、皆さんのご希望で冬の寒空の中、「MIZUKAMISO」でバーベキューとたき火を楽しみました。

新鮮な牛肉や豚肉、鶏肉などを味わいました
暖を取りながら火起こしの準備

酒蔵見学で入手した球磨焼酎にさっそく舌鼓を打つ3人。
「おいしい」と皆さんが声を上げて絶賛していたのは、水上村産のつややかな米で握ったおむすび。
「こんなに食べたの久しぶりです」と話す塚本さんは、2個と3個とおむすびに手が伸びていました。

食事の後は奥のスウェーデントーチを囲み、語らいました

地方でのリモートワークを体験したいあなたを水上村がお待ちしています

物産館「水の上の市場」のソフトクリームは濃厚と好評

村での仕事を体験しながら、自然や人々に触れた3泊4日。
参加した3人にそれぞれの感想を尋ねました。
「観光地と言われるところって、意外とゆっくり過ごせる場所って少ないと思います。水上村はそれが実現できるところ。Wi-Fi完備など、仕事面の安心が確保できるのもよかったですね」(畠山さん)

「いい意味で静かな村で、喧騒から離れて周りに気兼ねなく過ごせました。市房ダムをはじめ、酒造やジムなどでも桜の名称や柄が使われていて、村全体で桜を押し出している様子が伝わってきました。今度はカメラ片手にぜひ桜の時季に訪れたいです」(河野さん)

春は桜目当てに訪れる観光客も多いという市房ダム

「宿で自販機の場所の説明をされ、最初はコンビニがないことに驚きました。しかしそうしたなんでもすぐ手に入る便利さって、自分にとって、そこまで重要なことではなかったのかもしれません。それに気づかされた水上村での4日間は、自身に目を向ける時間になりました」(塚本さん)

都会から離れて、大自然の中でリモートワークや社員ミーティングを行いたいと考えている方は、役場全面協力の「みずかみのワーケーション(お試しサテライトオフィス)」を体験してみませんか。

詳しい応募方法やツアー概要は「みずかみのワーケーション公式サイト」へ。
水上村の自然や人々があなたを温かく迎え入れ、身も心もじっくりほぐしてくれます。

役場職員や地域住民が、皆さんのお越しを心からお待ちしています。

「職員一同、皆さんのお越しをお待ちしています!」